「……んっ、あ……」 聖に秘部を触られて、祥子は喰いしばった歯の間から喘ぎ声を漏らした。 どうしてこんなことになったのだろう? 聖に攻められながら祥子はふと思った。 今日の聖の部屋の掃除当番は祥子だった。 部屋の主は昼過ぎに起きてきて今は遅めの昼食を食べているはずだ。 どこかでガシャンと何かが割れる音が聞こえた。おそらく祐巳がまた皿でも割ったのだろう。 昨晩もメイドの誰かが相手していたのか、部屋に汗の匂いが充満している。 祥子は窓を全て開け放ち、持ってきたハタキで部屋を掃除し始めた。 そして部屋にある洋服タンスの中も空気を入れ換えようと扉を開けた。 「何……これ」 そこには眉をひそめるようなものがあった。 純白やピンクや淡いブルーの、フリルのエプロン。 ウサギの耳が付いたカチューシャ。 これはセーラー服だろうか? 緑がかった黒色をしている。 およそ普通に生活していれば着ることも無いような服が所狭しと詰め込まれていた。 おそらく志摩子や静に着せて毎夜楽しんでいるのだろう。 「良い趣味してらっしゃるわ」 「そりゃどうも」 声と同時に後ろから抱きすくめられ、祥子は身体をこわばらせた。 「せ、聖さま」 「もしかして、祥子も着たいと思った?」 「ご冗談を」 聖を心から慕っている志摩子や静とは違い、祥子はこの傍若無人な主人を快くは思っていない。 「ほらこのチャイナドレスなんか、祥子の綺麗な足が引き立つと思うんだけどなー」 「褒め言葉と受け取っておきますわ」 絡みつく手を振りほどくと、聖を無視して再びはたき始めた。 「綺麗な足。もっと近くで見せよ」 急に耳元で囁かれ、身の危険を感じ身体が反射的に逃げようとしていた。 次の瞬間、聖が思いきり引き寄せてその唇を塞ぐ。 無理矢理歯の間をこじ開けて舌を入れると、反射的に逃げようとする祥子の舌を執拗に絡め取り口内を蹂躙していく。 なんとか離れようとして祥子が必死で体と体の間に両腕を割り込ませようとしてきた。 「ちょっ……や……」 乱暴に祥子をベッドに押し倒し、スカートをまくり上げ剥き出しになったふとももを唇で愛撫し始めた。 やがて指先を無防備に開いているふとももの間へと入れていく。 「ぁ……た……助け……て……令……」 「あれ? 祥子って令が好きだったんだ?」 聖はクックックと下品な笑い方をした。 「こんな姿を令が見たら何て思うかねぇ?」 令の名前を出されて、祥子は思わず叫んだ。 「や……令の名前は出さないで」 悔しくて涙が滲んだ。 昼間からスカートたくし上げられ下半身だけ晒している自分はなんてみっともないのだろう。 「祥子も気持ちいいんでしょ?」 口を開けたら嬌声になってしまいそうで必死に首を振る祥子に、聖が秘部から離した指を祥子の目の前に持っていく。指に透明の粘液が糸を引いている。祥子は羞恥に耐えられず目をそらした。 「こんなになってるくせに」 聖はその指を自分で舐め取ると目を伏せる祥子の口にも同じように指を入れる。 綺麗に舐め取ったその指を再び祥子の下腹部に手を伸ばし、恐怖でガクガクと震えている膝を押し開けゆっくりと指を秘部へと進入させていく。 最初はゆっくりと。次第に速く。緩急自在なリズムで出し入れし始めるとそれに合わせて大きく小さく湿った音を立てる。 「……んんっ」 喉の奥で押し殺していた甘い息が噛んでいた唇から漏れる。 やがて祥子の身体がガクガクッと大きく震えたかと思うと、侵入者をきつく締め付けた。 聖が指を引き抜くと、愛液がドクドクと溢れ出しそのふとももを濡らしていく。 聖が小刻みに痙攣しているふとももを持ち上げすするように舌を這わせた時、突然部屋のドアがノックされた。嫌な予感がしたのだろう。祥子が強張らせた顔をそむけドアに背を向けている。 「失礼します」 はたして予想通り入ってきたのは令だった。手には聖の予定を書き込んだノートを持っている。 「聖さま。本日の予定ですが」 ノートをめくる令に「全部キャンセル。」と、流れ出る愛液を指ですくいながら聖は言った。 今日の主人の相手をチラと見ると令は一礼して出て行った。 令から顔をそむけ壁を見つめていた祥子から嗚咽が漏れだす。そんな気持ちを知ってか知らずか、聖は祥子の脚の間に座るとそのまま顔を埋めていく。達したばかりの秘部に舌が容赦なく攻め込んだ。 「っ……ん」 その絶妙な舌技に再び理性が吹き飛びそうになる。 「……っ」 志摩子や静から聞いてはいたけれどここまで上手いとは思わなかった。 舌と唇とさらに歯をも使い分けた愛撫に祥子の息が上がる。 巧みな攻撃にもう長くは持たないと悟ったが、その時は決して声を出すまいとして歯を必死に食いしばり続ける。 聖がそれに気付いて顔を上げて軽く舌打ちをする。 「そんな顔されたんじゃ全然面白くないよ」 「……え?」 「おしまい。もう行っていいよ」 「そんな……」 思わず口から出た言葉に自分自身が驚き、手で口を塞ぐ。 聖はニヤッと笑って言った。 「祥子の心、少し開いたね」 そう言っていきなり秘部に荒々しく突き刺した。 中断されたとはいえ絶頂に登りつめる寸前まで来ていた祥子は一気に駆け上る。 (……令……ごめんなさい) 心の中で令に謝ると閉じ篭っていた殻を突き破るように噴出させる。 「っゃあん」 聖との行為も、令に見られたことも、何もかもがどうでもよくなった。 さっき聖は予定はキャンセルと言った。と言う事はこのまま夜まで帰さないと言う事だろう。 少なくともその間は令のことを忘れてられる。 肩に優しくキスをされ一気に奥まで突き上げられると、祥子の身体がビクンと跳ね上がる。 背中に回された聖の手に支えられながら、奥まで突き上げられるたびに何度も何度もかすれた悲鳴を上げた。 これ以上耐え切れなくなり祥子は思わず泣き言を漏らしてしまう。 「お願い、聖さま……お願いですから……」 「お願いですから、何? ちゃんと言ってくれないとわからないな」 「そ……そんな」 「祥子」 動かしていた手を止めて優しく祥子に命令する。 「私はご主人様であなたはメイド。お願いするときにはちゃんとした言い方があるでしょう?」 言葉に逆らえなくて、祥子は震える声で再び『お願い』をする。 「い……お願い……ご主人様お願いします。……イかせて……ください」 快感に痺れた理性では、自分が何を言っているのかもよく分かっていないだろう。 ついに屈服した祥子に微笑みながら口付けをした。 あられもなく声を上げてよがる祥子に、聖の手は容赦なく動いて絶頂をうながす。 「あっ、ぁあ……っ、い、いい……」 口から言葉がとめどなくすべり出て祥子は悶え狂った。 追い詰められ散々焦らされた後では、沸き上がる快感はとどまるところを知らない。 時計の短針は祥子が入ってきた時とほぼ真反対を指していた。すでに窓の外は陽が落ちていた。 祥子が何度目かの絶頂の悲鳴をあげた後、さすがに聖は疲れたのか眠りについてしまった。 意識が飛びそうになるまで腰を使って何回したのかと数えてみようとしたが、バカらしくなって途中でやめる。 この部屋に入ってきてから数時間、仕事をせずに一体何をしていたのだろう。そう考えると頭が痛くなってくる。 いまだに快感の余韻でほとんど役に立たない足腰で辛うじて身体を支えて立ち上がると、聖に布団をそっとかけ、床に脱ぎ散らかしていた聖の服を綺麗にたたんだ。 行為の後で汗をかいていたがそのまま自分の乱れた着衣と髪型を直して、祥子は振り返ることなくドアを開けた。 ぼんやりした頭を抱えてドアを開けた先に令が立っていた。 その目はやや悲しげに見えたのは気のせいだろうか。 「まさか、立ち聞きしてた、とか?」 「いや、私は聖さまの執事だから……」 「答えになってないわ」 顔を強張らせたまま令を軽く押しのけると自分の部屋に向かう。 令から一刻も早く離れたい気持ちがどんどん早足にしていく。 曲がり角にさしかかった時ふと後ろを振り返ってみると、令がまるで祥子に引きずられているかのようにフラフラと後に付いてくるのが見えた。 祥子はそんな令をジロッと睨むと再び早足で歩き出す。令がさらに情けない顔して立ちつくしているのが背中越しでも想像できる。 しかし、心配で付いて来てくれているというその優しさは素直に嬉しかった。 強がってはいるものの、たぶん彼女がいなければとっくに廊下で泣き崩れていただろう。 「入るよ」 部屋の前で令が尋ねたが先に上がった祥子からの返事は返ってこない。 それを肯定と受け取り部屋に入ると、バスルームでシャワーの音がしている。 手持ちぶさたになりベッドの端に腰掛けた令は困ってしまった。 いったい何と話しかければいいのか。そもそも何をしにここまで来たのか。 何をしに来たかも忘れたというより、何も考えずに勢いで祥子の部屋に来てしまったというのが正しいだろう。 そう思い後悔しはじめた時、水の音がやんでいるのに気付く。 やがてバスルームから出てきた祥子が身体にバスタオルを巻いただけの格好でリビングルームに戻ってきた。 白い肌は湯を浴びて淡いピンクに染まり、その肌に濡れた髪が張り付いている。 祥子はそのまま椅子に座りもせず部屋の真ん中で立ち尽くしている。月明かりに照らされたその身体は今にも泣き出しそうに見えた。 「座りなよ」 腕を取って座るようにうながした令の手を祥子が振り払う。 首を振っている祥子の側に寄ろうとすると、体を強張らせてまた逃げられる。 「嫌いにならないで」 まるで泣いているかのように震えた声。それだけ呟くと涙がこぼれ落ちた。 「何でそうなるの?」 驚いた令は再び引き寄せようとする。 その手を振り払うように首を振るとそのたびに涙の雫が床に落ちていく。 「私、汚れたから」 「……」 「許してもらわなくていいから……でも、……でも、嫌いにならないで」 「許すとか嫌いだとか、言ってる意味がわからないよ」 ついに部屋の隅まで追い詰めてしまい、令はどうして良いか分からなくなってしまった。 その場に座り込んで声をあげて泣き出した祥子を、ただ見つめることしかできなかった。 どれくらいそうしていたのだろう。お互いに何も言い出すことが出来ずに、部屋には時計の音だけが響いた。 やがて少し落ち着いたのか祥子がポツンと言った。 「怖かったの」 令はそばに寄るのを諦めて再びベッドに腰を下ろしていた。 「え?」 「いつからか分からないけれど、気が付いた時には、もう令の事しか考えられなくなっていたわ。このまま自分の気持ちを伝えられなかったらと思うと本当に気が狂いそうで」 「そんな事……」 祥子はフラフラと立ち上がると令に抱きついた。固唾を飲む令を上目遣いで見上げる。 「あなたと話ししたら楽になったわ」 「祥子……」 「しばらく、こうしていて…」 令は何も言わずに、言われた通りに力強く抱きしめてくれた。 そんな令に向かって思い切って聞いてみる。 「ねえ。私のこと……どう思ってる?」 「そ、それは……」 何とか声を絞り出した令を見つめ続ける。令も祥子も胸が高鳴っていただろう。 「あ……す、好きだよ。私は、祥子のこと……好き、だから」 祥子の目を見て今度ははっきりと言う。それを聞いた祥子もゆっくりと言った。 「私も……令が、好きよ」 2人が初めて気持ちを伝え合った瞬間だった。 「あ……怖かったって、さっきの聖さまとの……?」 あまりの鈍感さに悲しみを忘れ、祥子はあきれた。 相手が令でなければきつい平手打ちを喰らわせてやりたい程の無神経さだ。 「……だったら……忘れさせてよ」 祥子は口調だけ怒りをあらわにして令に言った。八つ当たりともいえるかもしれない。 「忘れさせて、って言われても……」 やや婉曲した言い方に戸惑う令に、今度ははっきりと告げる。 「……お願い……抱いて」 令がゴクリと唾を飲み込む。 大きく一つ深呼吸し、意を決したかのように祥子にキスをするとベッドに倒れこむようにして押し倒す。 「ん……」 唇が交わり合い、祥子から甘い声が漏れる。 しばらくキスを交わしたあと顔を離した令だが、この後どう行動すればいいのか迷っているらしくその目が泳いでいる。 「……どうすれば、いいのかな」 困った顔で恥ずかしそうに祥子に言った。なんとも頼りない言葉に怒りもせず、短い髪を撫でて微笑み返した。 「大丈夫。何とかなるわ……。続けて……」 令はバスタオルへとそっと手を伸ばし、それを剥ぎ取る。 こぼれ落ちるように露出した祥子の豊かな乳房。それにゆっくりと手を伸ばして触れてみる。 令は祥子の乳房を揉み始め、そして首筋にキスをすると祥子が少しだけ仰け反った。 首筋からスルスルと下のほうへと舌を這わせ、乳首を舌で愛撫した。舌先で敏感な部分を丁寧に舐める。 「ふっ……ああ、ん。ゃ……ん」 祥子から甲高い喘ぎが漏れた。しばらく愛撫しつづけた後、顔をあげて紅潮している祥子の顔を見つめる。 その恍惚の表情に思わず強引に体を引き寄せて祥子にキスをした。 令は人を抱くのは初めてだろう。それでも持ってる知識だけで何とかつないでいこうとしている。一生懸命な令には悪いと思いながらも、祥子にはその姿がとても可愛く見えていた。顔を離して令の手を掴むと、ふとももの奥に誘導する。 令はすっかり濡れている祥子の秘部を指先でそっとなでてみる。上下になでていると徐々に熱を帯びていくのがわかった。 「ぁ……ああ……」 令の指の動きに合わせて祥子が声を漏らし、身体をくねらせている。 喘ぎ声に突き動かされたのか、愛液が溢れ出してきた祥子の秘部に令はいきなり吸い付いた。 「や、令……やめてっ」 言葉では嫌だと言ったが体は正直である。祥子はさらに背を仰け反らせてねだるように喘いだ。 令の熱い吐息が太ももを何度もくすぐると、行き場を無くした祥子の手が令の髪の毛を必死に掻き回した。 令は再び乳房を片方の手で触り、祥子の頬にキスしてそっと言った。 「いくよ」 祥子がやや焦点が合っていない目で見つめてきた。それを受け入れる心の準備が出来たサインと受け取る。 令の指が祥子の秘部にゆっくりと進入する。愛液が潤滑油の代わりになり指はスムーズに入っていく。 次第に奥へと挿入されていく指に祥子が思わずのけぞっている。 ガクガクと祥子の膝が震えているが、それは恐怖ではなく今度は間違いなく快楽によるものだろう。 「すごい……どんどん飲み込まれてるよ、指……」 「くぅ……んん……」 祥子が喘ぎながら令に抱きつく。それを受け止めながら、挿入した指にしばらく秘部の感触を堪能させると上下に動かし始めた。 「あぁぁんんっ。ぁ……ああ」 聞いた事もないような祥子の嬌声が令の耳に響いた。 令はその表情を眺めながら次第に指を動かすスピードを速め、さらに奥のほうまで突き上げる。それと同時に、愛液で擦れる音が部屋に響く。 今日はすでに聖によって良くほぐされていた為、ぎこちない令の指の動きでも秘部が歓喜の声を上げている。 充分過ぎるほど潤っていたぬかるみはさらに卑猥な音を立て、溢れ出た情熱が内ももを伝っていく。 「あん……れ……れい……令……ん、んん。…………っ、ぁああ」 快感がイナズマのように祥子の身体を突き抜けた後、不意に全身から力が抜けてガクンと令に倒れ込むように身体を預けた。 瞳を閉じた祥子が放心したように横たわっている。 唇から漏れる荒い息と激しく上下する胸だけが行為の激しさを伝えていた。 令は祥子を抱きしめた。重なり合ったところから伝わってくるお互いの体温が心地良い。 ゆっくりと令の背中に回された手がその肌を確かめるようになぞる。 「祥子……」 「お願い……しばらく、こうしていて……」 何も言わずに言われた通りに祥子を力強く抱きしめる。 腕の中の祥子が漏らす息さえも愛おしい。 令は壊れやすいものを扱うかのように優しく口付けた。 腕の中でほのかに香る祥子の汗の匂いを嗅ぎながら、何度も、何度も、愛しく唇を重ねた。 |